2020年5月6日水曜日

『香水』ある人殺しの物語(7日間ブックカバーチャレンジ第1弾)


自粛生活が求められる中で、ソーシャルネットワークを中心に「チャレンジ」と称する様々な企画が持ち上がっています。
個人的に「プッシュアップチャレンジ(10回腕立て)」にあまり興味が湧かなかったのですが「7日間ブックカバーチャレンジ」という企画は妙に気になり、建築家の伊藤嘉朗からバトンタッチされ、参加してみます。

「7日間ブックカバーチャレンジ」とは「読書文化の普及に貢献するためのチャレンジで、好きな本を1日1冊、7日間投稿する」という企画だそうです。
スポーツも好きですが、文学も大好きです。ここで心打たれた7つの作品を紹介したいと思います。
第1回は、イタリア人でもなく、日本人でもなく、ドイツ人作家の本を紹介いたします。
Patrick Suskindの「ある人殺しの物語 香水」 (文春文庫)

あらすじ
奇想天外! 「鼻男」の一代記
あらゆる匂いをかぎわけ、彼ひとり匂わない。
至高の香りを求めて、異能の男の物語がはじまる──。
18世紀のパリ。孤児のグルヌイユは生まれながらに図抜けた嗅覚を与えられていた。真の闇夜でさえ匂いで自在に歩める。異才はやがて香水調合師としてパリ中を陶然とさせる。さらなる芳香を求めた男は、ある日、処女の体臭に我を忘れる。この匂いをわがものに…欲望のほむらが燃えあがる。稀代の“匂いの魔術師”をめぐる大奇譚。  

この小説は20歳、大学生の頃に出会い、数年に一度読み直したくなる本の一つです。おそらく5回読み直しました。
なぜ心打たれたか。人間像の見事な描写にあります。
主人公は劣等感の塊で、その周りにいる人間はみんな卑怯。次から次へシーンが入れ替わり、何が起こるかわからない。人間の残虐性も愚かさが細部まで描かれ、フィナーレにも驚きの展開!

2006年に映画化されましたが、まだ見ていないです。いや、私の頭の中で描いているイメージが強烈すぎて、映画の映像に汚染されたくないのです。

推理小説や心理学に興味のある人はぜひお読みください。
マル(コ)印の本です。

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