2020年5月31日日曜日

Eroica Japan 2020開催について

 
 本日、Eroica Japan 2020を開催する予定でした。
美しき群馬県我妻にてみなさんと一緒に日本最大のビンテージ自転車の祭典を楽しむ予定でした。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大を防止するため、開催は中止になりました。
エロイカ・ジャパンが始まって以来、初めての中止です。カリフォルニア大会、モンタルチーノ大会、スペイン大会、ベルギー大会も例外ではありません。全て延期になりました。

現在、感染拡大が収束を見せつつあります。生活も少しずつ元になりつつあります。まだ我慢する必要があるかと思いますが、健康に変わるものはありません。そしてみんなで自転車を思い切って楽しめる日は近いです。

エロイカ大会は中止になりましたが、エロイカの世界を楽しむため、Eroica Japanの公式フォトグラファー、ロッキーこと露木さんとエロイカの秘話をお届けします。
お楽しみください。

↓次回の配信予定↓
 『Eroica Japan Photo & Talk 第2弾 富士河口湖町編』 6月6日(土)配信予定
 『Eroica Japan Photo & Talk 第3弾 群馬県吾妻郡編』 6月13日(土)配信予定

1920年、ローマ・東京間飛行という冒険!


100年前の1920年。二人のイタリア人軍パイロットは、木製の飛行機に乗って、ローマから東京に向かった。無謀とも言える企画です。3ヶ月をかけて、1万8000km。フライト時間108時間。
レーダーやGPS、天気予報、空港もない時代。まさに命がけの飛行でした。
パイロットの名はArturo Ferrarin(アルトゥーロ・フェッラリン、1895〜1941)とGuido Masiero(グィード・マズィエーロ、1895〜1942)。宮崎駿のアニメ映画『紅の豚』の主人公ポルコ・ロッソの戦友、フェラリン少佐のモデルになったようです。

二人ともイタリアの空の英雄であり、ファッラリンはヴェネト州ヴィチェンツァ市の人で、メズィエーロはミラノ市の人でした。
どちらも工業・職人の街です。ヴィチェンツァといえば、カンパニョーロとジュエリー加工の街。ミラノは、ビアンキマージコルナーゴチネッリアルファロメオなどなど。。。イタリアを象徴する華々しい企業の街です。

当時は必ずメカニックが同伴で、自分たちでなんでも修理せざるを得なかった時代です。壊れた部品は現地調達か、自分でその場で作ります。すごい時代です。
これを知って「紅の豚」を見ると、この映画の良さがわかります。
さ〜、昔の人に習って、冒険に出よう!

2020年5月27日水曜日

FORZA ITALIA!



イタリア国内で新型コロナウイルス感染拡大が落ち着きを見せ、普段の生活が戻りつつあります。一番安心しているのが、第一線で戦った医療従事者でしょう。
長く続いた不便な生活。傷ついた人々の心を癒すために、イタリア政府は応援舞台を各地で派遣しています。
それがイタリア空軍アクロバット飛行部隊FRECCE TRICOLORI(フレッチェ・トリコローリ、トリコローレの矢)です。

言葉がいらない!
感動です。

私もイタリアと日本の架け橋になるようにがんばります!

2020年5月26日火曜日

自転車通勤を促進するにはどうすれば良いか?


非常事態宣言がやっと解除されました。自粛で苦しんでいたショップや飲食店が喜ぶはずです。そしてサイクリストサンスポにて、またタイムリーで興味深い話題が掲載されました。
自転車通勤促進するにはどうすれば良いか?」
これが人気の連載シリーズ『食い込み!サドルトーク』の最新の課題でした。誰でも書き込めるから、参考になります。
今回のテーマは「自転車通勤を促進するにはどうすれば良い?」ということで、自転車ツーキニストとして私もコメントを書いてみました。
経験上では、道路の整備(自転車レーン)は重要ですが、一番大切なものが駐輪場だと思います。都会に住むと自転車を安全に保管できる場所が極めて少ない!これを解決しないと、多くの人の自転車通勤は厳しいかな?

実は祖国、イタリアでも同じ問題が起きています。駐輪場が少ない。
目に見える形で増えているのが、折りたたみ自転車通勤です。電車でも地下鉄でも畳めば運べる。場所があまり取らない。オフィスの片隅に置いておけます。値段も割と安い。
日本でも浸透してほしい。
がんばろう、自転車通勤!!!

コラムはここです。
https://cyclist.sanspo.com/523950

2020年5月24日日曜日

ミッキマウスとドナルドダックは自転車がお好き?


イタリア人が漫画が大好き。イタリア人による漫画も、日本の漫画も、アメコミもよく読まれます。駅のキオスクへ行くと、たくさんの漫画が買えます。
でも一番人気のある漫画雑誌は「TOPOLINO(トポリーノ)」です。Topolinoとはミッキーマウスのイタリア語名で、ディズニーの公式週刊漫画雑誌のタイトルでもあります。
170ページに渡り、様々な読み切り話は掲載されています。小さい頃に毎週買っていました。そして今に読んでもかなり面白い。
TOPOLINO誌は1949年創刊で漫画雑誌としてとても古い。そして描かれている作品は全部(ぜーーーーーんぶ)イタリア人の手によるものです。

今回は、なんと!3回に渡り、ジロ・ディタリアの話がディズニー漫画になりました!!!あのドナルド・ダックはロードバイクに乗って、3000kmのレースに挑みます。

さ〜、どんな話なのか、どんな世界が広がるなのか、イタリアのディズニーはすごいよ。
サイクリストサンスポで公開された最新のコラム「つれづれイタリア〜ノ#143」をご覧ください。


2020年5月23日土曜日

自粛警察24時間!



このビデオ、遊び心満載で最高です!
正義感に溢れる自粛警察の連続刑事ドラマがみたいです!

2020年5月14日木曜日

『カムイ伝』(7日間ブックカバーチャレンジ第7弾・最終回)


泣いても笑っても「7日間ブックカバーチャレンジ」第7弾、最終回になりました。何を紹介しようかなと、だいぶ悩みました。
ここで紹介するのが、今の御時世に相応しい作品です。
「カムイ伝」白土三平
かなり古い作品ですが、劇画漫画というジャンルの草分け的な存在です。イタリアでもとても人気があり、高校生の時にアニメを見ていました。でも原作の方が圧倒的な表現力とストーリー性で、読んでよかったと思います。学生運動を体験した60〜70代の人はきっと知っている作品だと思います。

単なる忍者・チャンバラ漫画ではありません。江戸時代の貧しい百姓、悲痛な差別を受ける非人と卑怯で威張る武士という階級社会構造の中で、人間の平等とは何かを探求する壮大なスケールの作品です。
今の日本に通用する内容が多く、特に特権階級だと思い込んでいる政治家見ると、まだまだやるべきことが多いなと実感させます。


ここでバトンタッチされた7日間ブックカバーチャレンジが終わりますが、読書は人間の知識と心を豊かにします。まずは図書館が開いたら、ぜひ「いい本探し」という旅に出てください。きっと巡り会えます。

ダメ!ダメ!これを見ちゃダメよ!



庭に植えてあるトマトを剪定したら、このビデオを見つけてしましました!
ああ〜、里帰りしたい!

2020年5月13日水曜日

『パパの電話を待ちながら』(7日間ブックカバーチャレンジ第6弾)


「7日間ブックカバーチャレンジ」第6弾を紹介します。 終わりが近づいてきました。
今回選んだのが、イタリア人作家のジャンニ・ロダーリ(1920〜1980)。

日本であまり馴染みがない作家ですが、強いて言えば宮沢賢治的な感性の持ち主です。
もともとジャーナリストでしたが、子供向けの摩訶不思議な短編物語をたくさん発表し、イタリアを代表する児童文学作家の一人。

パパの電話を待ちながら(Favole al telefono)』という本の設定は面白く、眠れない子供のために毎晩9時に、出張先からセールスマンお父さんが電話をかけてくる。お話の中でびっくりするキャラクターが数々登場し、笑いあり、驚きあり、考えさせる場面ばかりです。
小さい頃は落ち着かない子供でしたので、「壊さなければならない建物」というお話が大好きでした。落ち着かない子供のための対象法がしっかり読み取れます。

小さい頃に意味がよくわからず、読んでいました。大人になってから気になり、読み返してみれば、やはり好きでした。
日本でも売っているので、日本語の勉強のために書い直そうかな?和訳は気になります。



【目次】
運の悪い狩人
アイスクリームの宮殿
うっかり坊やの散歩
壊さなければならない建物
くしゃみを数えるおばさん
とんがりのない国
バター人
アリーチェ・コロリーナ
チョコレートの道
ブリフ、ブルフ、ブラフ
ストックホルムの町を買う
王様の鼻をさわる話
ピオンビーノのおいしい雨
チェゼナティコの回転木馬
オスティアの海岸で
雑誌から飛び出したネズミ
マンジョーニア国の歴史
アリーチェ、海に落ちる
鐘の戦争
進め! 若エビ
逃げる鼻
どこにもつながってない道
かかし
夢見るステッキ
ジャム作りの名人アポッローニア
アーダおばさん
太陽と雲
死ななければならない王様
流れ星を作る魔法使い
ミダス王
青い信号
猫を食べたネズミ
9を下ろして
透明人間トニーノ
優しいジルベルト
泣く、ということば
熱ないない病
日曜日の朝
眠るとき、起きるとき
クリスタルのジャコモ
ねんねんころり
ひとりだけれど七人
コロッセオを盗んだ男
星へのエレベーター
トロリーバス75番
逃げたプルチネッラ
ヴァルテッリーナの左官屋
兵士の毛布
真実の星
宇宙の料理
学習キャンディ
宇宙ヒヨコ
まちがいだらけのお話
2点増しで合格
どうってことない小男
地球と人のものがたり

2020年5月12日火曜日

『ディレーラーの世界』(7日間ブックカバーチャレンジ第5弾)

「7日間ブックカバーチャレンジ」第5弾を紹介します。 今回選んだのが、少し専門的な本です。特にヴィンテージの自転車の好きな人なら、絶対に買うべきバイブル的な専門書です。

ディレーラーの世界、Derailleurs of the World』(カンビオ工房)

ディレーラーとは、自転車の変速機の事です。1930年に誕生し、進化をしつづけています。現在、代表的な会社はCampagnolo(イタリア)、 Shimano(ジャパン)、Sram(USA)。
ディレーラーは主に3パーツからなっています。
(1)レーバー
(2)フロントディレーラー
(3)リアディレーラー

なぜこのようなオタッキーな本を紹介するかというと、自転車の年代を把握するために非常に役に立っているからです。ヴィンテージ自転車のイベントを主催すると、「この自転車はいつのものかな」よく聞かれる時、まずはディレーラーをチェックします。この本を持っていけばほとんど答えがわかる。非常に優れた本です。
これを作ったのが、カンビオ工房社長の佐々木さんです。実は自費出版です。
でもあまりにもクオリティーが高く、カンパニョーロ本社に財宝として保管されているぐらいです。

第1部 Campagnolo編(2012年)
第2部 Simplex編(2014年)
第3部 Suntour編 Vol.1(2016年)
第4部 Suntour編 Vol.2(2016年)
第5部 Huret編(2018年)


お問い合わせはこちらへ。
https://ameblo.jp/cambiokoubou/

2020年5月11日月曜日

『文明化した人間の八つの大罪』(7日間ブックカバーチャレンジ第4弾)


「7日間ブックカバーチャレンジ」第4弾を紹介します。
今回選んだのが、オーストリア人学者で医学ノベル賞を受賞したKonrad Lorenz(1903〜1989)の本です。

Konrad Lorenzといえば動物の「インプリンティング(刷り込み)現象」の発見で有名で、動物の行動学の研究に魅了された一人の学者です。また、彼の大きな関心事は人と自然の共存でした。彼との出会いは、ちょうど大学生の頃でしたが、私に大きな影響を与えた学者の一人です。


1977年に発表した『文明化した人間の八つの大罪』の中で、今も人間が直面している問題について鋭く書いています。
人口過剰、生活空間の荒廃、人間同士の競争、感性の衰退、遺伝的な頽廃、伝統破壊、強化されやすい性質、核兵器。。。
人間の無知、エゴイズムがもたらす自然や社会的破壊に警鐘を鳴らしましたが、40年経っても何一つも解決されていません。だからこそもう一度、読むべき本だなぁと感じています。
とにかく考えさせられる事ばかりが詰まっている本です。

2020年5月10日日曜日

自転車は新型コロナウイルス後の社会の要に?


サイクリストサンスポで連載中の人気コラム、「つれづれイタリア〜ノ」の最新号が出ました。今回のテーマは「新型コロナウイルス後の世界」。

ご存知の通り、新型コロナウイルス感染の急な拡大で多くの国は国民に対し厳しい移動制限を課しています。さらに三密(密接、密集、密閉)を避けるため、多くの施設が閉鎖に追い込まれました。経済的なダメージは計り知れない。

春が深まるにつれて、感染拡大も収まりつつあるように見えますが、いつ再び感染が爆発的に拡大するか、わからない状態です。中国共産党とズブズブの関係にあるWHOも当てになりません。これから問題となるのが、移動制限が解除された後の行動です。特に通勤。

自家用車を持っている人は問題はないのですが、都市に住んでいる人は主に公共交通手段で移動しています。現在、三密を避けるためヨーロッパの多くの国では公共交通機関に対し、乗車率を50%までに抑えるように求められています。
この状況の中で自転車を日常的な移動手段としてまた脚光を浴びています。各自治体や政府は自転車の購入に補助金の導入を検討し、自転車で安全に通勤できるように街の構造を変えようという動きも本格化しています。
ある意味で新型コロナウイルスがもたらしたショック療法は、人々の行動を根本から変えようとしています。
興味のある人はぜひここをクリックください
https://cyclist.sanspo.com/522692

こうなったら、私も新しい自転車を買おうかな?


2020年5月8日金曜日

『ITALIAN VINTAGE LIFE』(7日間ブックカバーチャレンジ第3弾)


「7日間ブックカバーチャレンジ」第3弾を紹介します。 今回選んだのが、2017年に発行されたNEKO PUBLISHINGの大好きなムックシリーズの一冊です。

このムックシリーズには毎回、大人の優美な世界が紹介され、保存版ものばかりです。
2017年に出された「イタリアンヴィンテージライフ」には、イタリアが世界に送り出した誇らしい工業製品、特にスポーツカー、スポーツバイクとスポーツ自転車は勢揃い。フェッラーリ、ランチャ ストラトス、フィアット アラルト、アグスタ、ランブレッタ、ビアンキなどなど。工業デザインの歴史を変えた名品ばかりです。

この本でわかるのが、イタリアの精神。

ナンバーワンにならなくてもいい。万能に受けなくてもいい。いい「もの」を世界に送り出そうという精神です。値段が高いですが、わかる人にはわかる。でもわからない人はバカにしない。そのうちは、わかるだろう。

このムックのもう一つの特徴は、文章と写真のマッチングです。
少しずつ、大人の心地いい世界に導いてくれます。赤ワインを飲みながらページをめくると、もうイタリア気分です。

自転車ファンは、エロイカの記事もお楽しみください。かなりのページがあります。

書いたい人はこの下にリンクを貼ります。
買う価値があります。

2020年5月7日木曜日

『夢想中的陀螺』(7日間ブックカバーチャレンジ第2弾)


「7日間ブックカバーチャレンジ」第2弾を紹介します。
今回選んだのが、2017年に台北駅の地下にある誠品書店で見つけた絵本です。

【夢想中的陀螺】絵:呂游銘/文章:陳玉金老師(2016年維京國際出版社)


普段、絵本を買わないですが、この本を見た時に(いい意味で)ショックを受けました。なぜかというと、日本統治時代、特に戦時下の二人の少年、台湾人と日本人の友情の物語が描かれているからです。
台湾もアメリカ軍の厳しい空爆を受け、防空壕で人々が震える。やがて敗戦が決まり、日本人の少年が日本に戻る。涙ながら別れを告げるエンディング。
(*)中国語翻訳アプリを使って読みました。

当時は本屋さんで山積みされ、かなり人気のようでした。

なぜこの絵本を買ったかというと、数年前に韓国仁川国際空港の書店を訪れた時に、大きなショックを受けたからです。
山積みされていた絵本の中で、日本軍が韓国の民に対し惨忍な行為を繰り返している絵本や漫画ばかりだったからです。殺害、強姦、拷問など。。。平然とむごい絵が描かれています。韓国語が読めなくても、内容がよくわかります。

台湾も日本の植民地でしたが、韓国とは全く違う過去の処理をしています。過去は過去として覚えるべきです。いいこともあれば、悪いこともある。そして戦争は必ず悲しみをもたらします。
一方、韓国で教えている歴史は憎しみと怒りに満ちています。過去の負の歴史を未来志向に転換するよりも、過去にすがり、政治的な意図によるある種のプロパガンダが行われているのではないかという疑問を持ちました。中国やロシア、トルコのような独裁政権の国ならまだわかりますが、先進国になった国としては信じがたいことです。

やはり未来志向の台湾の方が好き。
台湾を訪れることがあれば、ぜひ地元の書店に入ってください。今、人は何を求め、どんな希望を持っているかよくわかる場所です。

2020年5月6日水曜日

『香水』ある人殺しの物語(7日間ブックカバーチャレンジ第1弾)


自粛生活が求められる中で、ソーシャルネットワークを中心に「チャレンジ」と称する様々な企画が持ち上がっています。
個人的に「プッシュアップチャレンジ(10回腕立て)」にあまり興味が湧かなかったのですが「7日間ブックカバーチャレンジ」という企画は妙に気になり、建築家の伊藤嘉朗からバトンタッチされ、参加してみます。

「7日間ブックカバーチャレンジ」とは「読書文化の普及に貢献するためのチャレンジで、好きな本を1日1冊、7日間投稿する」という企画だそうです。
スポーツも好きですが、文学も大好きです。ここで心打たれた7つの作品を紹介したいと思います。
第1回は、イタリア人でもなく、日本人でもなく、ドイツ人作家の本を紹介いたします。
Patrick Suskindの「ある人殺しの物語 香水」 (文春文庫)

あらすじ
奇想天外! 「鼻男」の一代記
あらゆる匂いをかぎわけ、彼ひとり匂わない。
至高の香りを求めて、異能の男の物語がはじまる──。
18世紀のパリ。孤児のグルヌイユは生まれながらに図抜けた嗅覚を与えられていた。真の闇夜でさえ匂いで自在に歩める。異才はやがて香水調合師としてパリ中を陶然とさせる。さらなる芳香を求めた男は、ある日、処女の体臭に我を忘れる。この匂いをわがものに…欲望のほむらが燃えあがる。稀代の“匂いの魔術師”をめぐる大奇譚。  

この小説は20歳、大学生の頃に出会い、数年に一度読み直したくなる本の一つです。おそらく5回読み直しました。
なぜ心打たれたか。人間像の見事な描写にあります。
主人公は劣等感の塊で、その周りにいる人間はみんな卑怯。次から次へシーンが入れ替わり、何が起こるかわからない。人間の残虐性も愚かさが細部まで描かれ、フィナーレにも驚きの展開!

2006年に映画化されましたが、まだ見ていないです。いや、私の頭の中で描いているイメージが強烈すぎて、映画の映像に汚染されたくないのです。

推理小説や心理学に興味のある人はぜひお読みください。
マル(コ)印の本です。