2011年5月29日日曜日

自転車=イタリア語?


後数時間でジロ・ディタリアという自転車の祭典が終わります。
よっぽどのことがない限り、コンタドールが総合優勝。スカルポーニは第2位、ニバリは3位。
チ−ム・アンドローニのスカルポーニは昨年のジロでニバリに破れ、3位から4位に転落。ヴェローナの表彰台に乗れず悔しい思いをしただけに、ニバリに負けるまい!と怒りを持って走りました。ジロの総合優勝争いから落ちたものの、ニバリとの決闘を制覇しました。いや、しそうです(まだ終わっていないので)。

レースの後の楽しみはやはりインタビューです。フランス人、オランダ人、スペイン人、ベネズエラ人、何人であれ、みんなイタリア語を上手に話しています!その秘密は、多くのチクリスタたちはイタリアに住んでいるからです。マーク・キャヴェンディッシュもイタリア、トスカーナ在住!昨日優勝したベラルーシー出身のキリエンカもイタリア語達者!
ビジネスは英語なら、自転車競技はイタリア語?
少し嬉しい♪

みなさん、J sportsを見ていますか?

2011年5月28日土曜日

涙を流しました


昨日のステージ、正直言って涙を流しました。
スポーツをする者なら誰でもわかる気持ちです。

マクニャーガのゴールまで1㎞。道がずっと上り坂です。
アスターナのティラロンゴ選手はトップで一生懸命に足を動かしています。しかしエネルギーはもう残っていません。
カチュシャのホアキン・ロドリゲズとAGRのジャン・ガドレがアタック!
追っていたSaxobankコンタドールが集団から飛び出して反撃開始!
一気にロドリゲズとガドレを抜き、ティラロンゴをカバーし彼を優勝に導きました。
最高の瞬間でした。11年間他人をアシストし続けたティラロンゴが涙を流し、コンタドールに感謝!
違うチームにいても選手たちが見えない絆で結ばれ、昨年まで同じチームにいたコンタドールがティラロンゴから受けた恩赦を見事な形で返しました。
普通のレースの場合はスポンサーが激怒するはずですが、今回は特別です。

イタリア中はコンタドールの行動を称えています。
ブラーヴォ・コンタドール!!!
今夜はコッレ・デッレ・フィネストレ!悪魔はチクリスタたちを待ち伏せています。

追伸:嬉し涙を流しますとなぜかすっきりします!笑

2011年5月27日金曜日

悪魔のささやき!


今年のジロは飽きるほど山を見てきました。今日のコンタドールとニバリの顔から「もう嫌だ!」と読めるほどでした。
でも山はチクリスタたちを引きつける何かがります。いやいやと思っても自転車は常に山の方向を向いています。
かつて山は悪魔の住処とされ、人間は近づくことを恐れていました。
明日は悪魔が再び現れます。ゾンコランの次ぎは、コッレ・デッレ・フィネストレ!
悪魔はまだ人を呼んでいる。断ち切ることのできないささやきです。
2005年の決闘はまだ見られるのか!とても楽しみです。

2011年5月26日木曜日

やばい、やばい!その2


Non bisogna togliere le mani dal manubrio!
ハンドルから手を離しては行けません!
これがチクリズモの鉄則です。
本日のステージで大事件が起きました。
ヴィスコンティはスプリントの最中、ハンドルから手を離し、前に走っていたウリッスィをたたきました。有り得ない事です。
確かに優勝が絡んでしまいますと、人間が理性を失います。普段やらないことをやってしまいます。しかし、イタリアチャンピオンのヴィスコンティがやってしまいますと、そのジャージを脱いでもらいたいぐらいです。知っている人だけに残念で仕方がありません。
勝つべき者は勝ちました。21歳のランプレの若手選手ウリッスィです。プロとして2勝目です。
Bravo!

2011年5月25日水曜日

やばい、やばい!


ジロの最中なのに、このページを全然更新していません。すみません。
もうすぐジロが終りますね。少し悲しい気がします。
今年のジロは過酷その物です。一般の人間が走ってきた山岳コースをやりますと、きっと死にます(笑)。オーガナイザーのゾメニャン氏は少しやりすぎたかな?と思います(笑)。
コンタドールの圧倒的な力に対し、イタリアのマスコミもエールを送る事しかできなく、第2位は誰になるだろうとすでに話題はシフトしています。
「コンタドールはすごい!コンタドールはチャンピオンだ!」とみんな認めることです。
昔と比べて自転車競技の質はだいぶ変わったと思います。グランツール専用、スプリント専用、ワンデーレース専用、ヒルクライム専用。。。チクリスタたちは細分化され、メルクスやモゼルのようなオールマイティー選手はみんな消えてしまいました。
時代の流れですね。

ところで、チクリスタたちの体を見ましたか?
2週間前と比べて、ずいぶん痩せています。
チクリズモはダイエットに効きますね(笑)

2011年5月15日日曜日

富士山は甘くなかった


今日のジロ・ディタリアはシチリア島、エトナ山にたどり着きます。
エトナ山はヨーロッパ最大の活火山で、ちょうど4日前に噴火しました。今日のステージに直接的な影響を与えることはないようですが、カタニアに住んでいる友達によれば、夜は花火大会を見ているようで、火山灰は降ったりします。やはり自然の脅威はバカにできません。

せっかくですので、今日は僕も日本最大の火山、富士山に登りました。実は3年ぶりにハンガーノックを起こしました。恥ずかしい。
今朝早く通勤で使う重いアルミのキャノンデール(ノーマルクランク)に乗って、ルンルンと鼻歌を歌いながら走り出しました。富士山は初めてではないのでいつものコースです(往復270Km)。
東京→八王子→高尾→大月→富士吉田→スバルライン→富士山五合目

行きは向かい風の中。少しがんばりすぎた生せいか、スバルライン料金所に着いたら足は思ったより重い。しかし、悲劇は五合目まで5km地点の地点で起こりました。急に頭がボットし、足が全く動かなくなりました。あ!ハンガーノックだ!3年ぶりですが、焦りました。
原因はすぐにわかりました。登る前に休憩はしなかったのと、コンビニでエネルギーを接収することを劣ったこと、いつも持っているエネルギーバーを自宅で忘れてしまったこと。初心者でもしないエラーです。ダブルに恥ずかしい。
意識は朦朧しながら、やっと五合目にたどり着きました。生き地獄でした。
(五合目価格の高〜い)饅頭を買って、少し休息して、血糖値があがるのを待って下りました。

プロのチクリスタはみんなガリガリですが、レース中に4000〜6000KCalを消費します。生きるための基礎消費エネルギーを加算すれば、一日に接収するエネルギーは8000〜10,000KCal。さっと計算しますと、グランツールではおそらく10万KCalを必要とします。
テレビではあまり映らないですが、プロのチクリスタは四六時中食べています。しっかりした朝ご飯と昼ご飯。レース中にも食べる(レース全般:消化の遅い糖類、レース後半:素早く消化できる糖類)。レース直後も食べる。夜も食べる。

さて、ゴールまで30kmですので、テレビに集中します。
みなさん、ジロを見ていますか。(J-Sportsまで!)

2011年5月12日木曜日

strade bianche


日本では気温がジェットコースター並みに上がったり下がったりしていますが、イタリアは毎日のように晴天が続いているようです。でも湿度が低いのでとても過ごしやすいです。

昨日の涙のステージから、イタリアの暖かい太陽のもとで明るいオルヴィエートへ。
今日はジロ・ディタリア第5ステージ。トスカーナ州とウンブリア州を横断しました。毎回思うのですがイタリア中部は実に美しい。多くの人はトスカーナを見て恋に落ちることを理解できます。
チクリスタとしても魅力的な場所です。美しい景色に、心臓を破るほどの激坂。目も足も楽しめるコースばかりです。今日のステージはエロイカでも使われるstrade bianche(舗装されていない道)がたくさんあり、危険ですがとても楽しそう。
ゴールはオルヴィエートです。中世の町並みを残す街で、大聖堂は世界遺産。小さな都市ですが、文化的に盛んな街で、料理もシンプルでおいしい。テレビ画面から映し出される映像は輝いています。毎日壁に囲まれて仕事をしますと、やはり美しい景色は見たくなります。

痛ましい事故の直後ですがこの景色の美しさのおかげでみんなの心が晴れたかな?
そう祈ります。

2011年5月11日水曜日

チポッリーニがよく言ってくれた


昨日ジロ・ディタリア第3ステージの最中に、痛ましい事故がありました。
意識不明だと伝われていた、チーム・レオパードのヴェロチスタの一人、ヴェイランド選手は実は即死でした。ドクターは手当も何もできなかったようです。原因は以下のようです。
猛スピードで下っている最中に不注意に後ろに振り向き、障害物に気づかずに自転車とぶつかってしまいました。その衝撃で20m以上飛ばされてアスファルトに強く頭を打ったようです。26歳の若さでこの世を去りました。

今日のステージはペレード形式で行われ、スプリントもなく、ポイントもなくゴールイン。こうやってヴェイランドの死が悔やまれました。明日(第5ステージ)から普段通りのレースが行われる予定です。

人の死は悲しいものですが、パレード形式でのレースは本当によかったでしょうか。
彼がスポーツマンで死の直前までに一生懸命にがんばっていたと思います。彼の死を悔やむなら、違う方法があったと思います。レースを中止するか、みんな一所懸命に走るか、どっちしかないと思います。個人的な意見ですがパレード形式は中途半端な気がします。なんのためにやるか。
私一人だけの考えかなぁ、と思ったら、実はイタリア最強のスプリンター、マリオ・チポッリーニは同じ考えを示してくれました。

彼がガゼッタTVに寄せたコメントは以下の通りです。
彼は昨年のようにステージに勝つためにきっと一生懸命に走っていたに違いありません。従って彼を悔やむベストなやり方は普通のレースを行うことです。結局、今日はゆっくり走り、明日から普段に戻ることが、あまり意味がないことです。痛みを忘れることもできず、24時間限定の悔やみはどういことか。生まれてくる子どものために、教育基金を作ったほうがまだ良心的なやり方です。
しかし、今日の行動(パレード)は理解できます。チクリスタたちの間で暗黙の連帯感があります。今日のステージの敵は明日は逃げの友になります。これがチクリズモの魅力です。


さすがチポッリーニ。自分の意見をしっかり述べながら、みんなの考え方をカバーできる人です。

生きている人間は亡くなった人間の分まで背負わなくてはいけないと思います。だから一生懸命にがんばります!

2011年5月9日月曜日

勉強は大事ですね


今年のジロ・ディタリアからJSportsに色々協力しています。
毎日多くの資料を作って放送に提供しています。面白い情報を集めているというよりも、ためになる情報を集めています。
◎過去のレースに関する情報
◎グルメ情報
◎芸術・文化的情報などなど

今までなんとなく学校で義務的な感覚で勉強してきたことをここまで役に立つとは!驚きです。特に中学校・高校時代に勉強した地理学、歴史などを30年ぶりに見直しますと面白くて仕方はありません。学校は詰め込み教育よりも向上心をくすぐるする方法を教えるべきだと思います。

今日は第3ステージ。チクリスタたちがパダニア平原を出てリグリア州に向かって地中海にたどり着きました。しばらくイタリアの西側を走ります。リグリア州は日本でいいますと房総半島のような地域です。真冬でも温暖な気候が続き、一年中比較的に過ごしやすい場所です。しかし、激坂が多い上に道幅が狭い。車でも運転が難しい場所でもあります。事故が絶えません。残念なことに今日はひどい落車があって、レオパードの選手は意識不明の重体です。そのためにジロ実行委員会はステージ上でのセレモニーをすべてキャンセルしました。
自転車は危ないスポーツですが、やめられないのはなぜ?
みなさん、Jsportsを応援しましょう!!!

2011年5月8日日曜日

ジロが始まりました♪


いつの間にかGWが終わり、待ちに待ったジロ・ディタリアが始まりました。
昨日は第1ステージ、チームによるタイムトライアルが開催され、55km/hを超えるスピードで選手たちがトリノの郊外にある宮殿「ヴェナリア・レアーレ」から街の中心部まで19kmのコースを走りきりました。
ロードバイクは確かに早い乗り物ですが、平地で平均時速55km/h以上のスピードを保つことは不可能なことです。チクリスモの花の一つ、スプリントにのみそのスピードが出ますが瞬時的なものであって、せいぜい300〜400m程度の距離です。スプリンターは大型選手である理由は、最後の一瞬のために重いからだを肉弾として使って、ゴールに向かいます。
タイムトライアルには特殊なバイクを使います。トライアスロンバイクに似ていますが、仕組みは異なります。150万円以上するバイクは少なくありません。普段、後輪はレンズホイルと呼ばれるホイルを使いますが、今日の写真は風のある日に使うホイルを載せました(アームストロング仕様の物でした)。

今年のジロは後半が誰でも真っ青になるような山岳コースが続き、心の底からマゾか相当、山が好きなチクリスタしか参加できません。各チームはどの選手を出すか、その選択に悩んだと思います。ヒルクライムに強い選手がいないチームはまず幻滅。

さて、今日は目立った山がないので大型スプリンターが活躍できるステージになりそうです。お気に入りのキャヴェンディッシュはマリア・ローザを獲得できるかな?
フォルツァ・ジロ!!!

2011年5月1日日曜日

富士山断念!

今日は5月1日。ヨーロッパでメイデイです。今年は日曜日ですので明日は振替休日になる国もが多いですね。やはり休みは重要です。仕事に注ぐエネルギーを充電するための貴重な時間ですから。
今日はせっかくの休みでしたので友達と富士山に登ろうと企画していましたが強風のため断念しました。風の強い日や豪雨の時も自転車に乗れますが、標高2000m付近の強風の場合、話は別です。車を飛ばすほどの力がありますので自転車はなおさら。自然の脅威に勝てないのが人間です。
自転車に乗っている間もう一つに勝てないものがあります。それがサンデードライバーです。
ゴルデンウィークの時期に多くの車が道にあふれ、平日以上の混雑になります。急な車線変更、ウィンカーなしの左折、急発信、急停車。予測不能の動きが多くなります。事故も多発する時期ですので、いつも以上に緊張しながら自転車で移動しています。

今週末はジロ・ディタリアはスタートします。すごく興奮しています。
今年でイタリアが統一されて150年が立ちました。すべてのステージは「イタリア統一」をテーマにしています。トリノからスタートすることも、オーストリアへの越境も重要な意味を持っています。ジロ・ディタリア自身もイタリア政府公認の150周年記念祝賀行事の一つとして位置づけて国を挙げてのイベントになりました。ファーストステージとなるトリノでは軍もオペーニングに参加する予定です。日本でオープニングの様子は放送されますかな?
みなさん、J-Sportsを見てジロを応援しましょう!!